« 2006年9月 | トップページ | 2006年11月 »

2006年10月29日 (日)

シービスケット~生きる勇気を与えてくれる映画~

いやあ~しばらくブログをご無沙汰してしまいました。前回の記事から4週間近くサボってしまい申し訳ないです。

実は先月から転職活動を行っていて、その追い込みもあったので記事を書くことが出来なかったのですが、なんとか次の仕事先を見つけることが出来ましたv^0^v

自分から望んだ転職であったとはいえ、希望の仕事を手に入れるのに約2年を要し、本当に長く厳しかったですが、一方で学ぶことの多い期間でもありました。

年齢としても決して若くないし、人生の折り返し地点での勝負だっただけに、リスクは大きいとは思ってましたけど、ここまで厳しいとは^_^;…っていうのが正直な感想です。

逆を言えば、それだけ以前の自分は未熟であったということでしょうし、それをここで学ぶことが出来、しかも自分が望む仕事をする機会を与えられたということは、非常に幸せなのだろうと思います。

そんな今の自分の気持ちと重なるとことが多く、人生において、なかなか突破口を見出せずにいる人に是非観て欲しい作品がコレ。

Photo_48 シービスケット 2003年のアメリカ映画

監督、脚本はゲイリー・ロス。

出演はトビー・マグワイア、ジェフ・ブリッジス、クリス・クーパー他。

この映画は実話を元にした作品で、原作はローラ・ヒレンブランドの『シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説』。

この映画は原作のタイトルを見ても分かるように、実在したシービスケットという競走馬の話ではあるのですが、『人生において深い挫折を味わいながらも、その境遇から抜け出すことに挑んだ人間と馬の話』として見てもらったほうがイイと思います。

今からおよそ100年ほど前の1910年のアメリカ、時代は大きく変わり始めていました

『馬』の時代から『車』の時代へ、そしてT型フォードに代表される大量生産の時代へと急激に変わり始め、人々は新たな時代で成功を収めようと『西部』を目指していました。

自動車の機械工をしていたハワードもその一人で、西部で新しく車のディラーを始めたことがきっかけで事業に大成功しますが、一方でスミスのようなカウボーイは、そんな時代の流れに取り残されるように、馬と共に世捨て人のような生活を送っています。

そして1929年に、世界大恐慌が起こり、アメリカの全労働者の四分の一が仕事を失うのですが、裕福な家庭に育ったジョニーの一家も一夜にして財産を失ってしまい、ジョニーは大好きな家族とは別れて暮らすことになってしまいます。

また事業で成功を収めたハワードにも試練は訪れます。

ハワードが仕事で家を離れた日、最愛の息子が事故で命を失ってしまうのです。

時代の大きなうねりに巻き込まれるハワード、スミス、ジョニーの三人は、やがて運命の糸で結ばれていきます。

最愛の息子を失ったハワードは、その後に妻とも別れることになり、失意の日々を送っていましたが、そんなハワードを元気づけようと友人がメキシコとの国境の町に連れていきます。

時代は悪名高き禁酒法の時代でしたので、メキシコとの国境の町には酒やギャンブルを求める人が集まっていたのですが、ハワードはそこでマーセラという女性と運命的な出会いをして、やがて結婚することになります。

マーセラのおかげ次第に元気を取り戻したハワードは、乗馬が好きな彼女の影響を受けて競馬に興味を持ち始め、そしてスミスと運命的な出会いを果たします。

食べるために馬の調教師をしていたスミスは、いつも外で生活をして、馬を極度に大切にしていたために周りからは変わり者扱いをされていましたが、ハワードはそんなスミスに興味を持ち、スミスが暮らすテントを自ら訪れます。

軽い挨拶を交わした後、二人はこんな会話を交わします。

ハワード;(怪我をした馬をさして)具合は?

スミス;良くなった。

ハワード;レースは?

スミス;いや、それは無理だろう。

ハワード;じゃあ、なぜ治療を?

スミス;治せるから。どんな馬だって役に立つ。あいつも馬をひくとか、誘導馬とか、見るだけでもいい。ちょっと怪我をして、それで命あるものを殺すことは無い。

ハワード;(無言)

ハワードはスミスのそんな性格を信用し、3ヵ月後に調教師として雇うことにします。

スミスは、調教師になるにあたって、こんなことをハワードに言います。

スミス;馬はスピードじゃない。ハートだよ。競争を恐れない馬でなきゃ。大抵は見てくれだけの競走馬。勝負から逃げる馬はダメだ。

そんな馬を探すスミスの目の前にある日、一頭の馬が現れます。

小柄な体ではありましたが、気性が激しく、ちょっとやそっとでは人の手に負えない荒馬。産まれたときは性格の優しい馬だったのが、人間から手荒な扱いを受けてきたために、いつしか荒んだ心を持つようになった馬。

それがシービスケット。

スミスはシービスケットを一目見て、その資質に惚れ込み、ハワードに頼んで買うことにしますが、とは言ってもあまりに気性が激しいために、どんな騎手も相手にしてくれません。

荒れ狂うシービスケットの扱いに困っているスミス。

そんなスミスの目に、シービスケット同様に荒れ狂って回りの人間を手こずらせている一人の騎手の姿が映ります。

両親と別れてから、騎手として恵まれない生活を送り、今ではレッドと呼ばれているジョニーです。

レッドは、レースに出てもなかなか勝ちに恵まれず、生活のためにボクシングまでする日々を送り、文字通り身も心もズタズタの状態になっていましたが、そんなレッドをスミスはシービスケットの騎手として抜擢することに決めるのです。

そしてここから、長く厳しい時代を生き抜いてきたハワード、スミス、レッド(ジョニー)の三人とシービスケットの新たな戦いの日々が始まるのです…

こうやって僕のストーリー紹介を読んでると、長ったらしい話のように思うかもしれませんが、全体的にテンポよく作られてますし、特に映画の後半は実話とは思えないほどドラマチック。

以前に同時代の舞台設定の映画として『シンデレラマン』を紹介しましたが、この作品も本当に登場人物の姿に胸を打たれます。

僕自身も、この2年間の経験でつくづく思うのが、人生を生き抜くとはいうのは本当にタフなこと。

日本のような恵まれた国で生活をしていると、ついつい忘れてしまいがちですが、本当は一日一日を生きていくだけでも大変なことで、僕のようにそれをちょっと甘くみて、強がったことを試みると、それを痛感します。

でも、人生の不思議なところは、どれだけ厳しい状況に追い込まれても、自分の進む道を信じて毎日を送っていると、チャンスは訪れるということでしょうか?

だから諦めてしまってはいけないんだと思います。

みなさんも、もし今の自分の置かれている状況に希望が持てない時や何をやってもうまくいかなくて希望が持てないときなど、この映画を一度観られてはいかがでしょう?

何かを感じてもらえると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2006年10月 3日 (火)

刑事ジョン・ブック~美しいサスペンス映画~

本日の日経新聞の夕刊や読売新聞のネット記事によると、またもやショッキングな事件が起こりました。

日本でも十代の子供たちが巻き込まれる事件が後を絶ちませんが、アメリカではより深刻で、アメリカ北東部ペンシルバニア州ランカスター郡のキリスト教アーミッシュ系の学校を銃を持った男が襲撃し、4人が死亡、7人が負傷し、犯人は自殺したとのこと。

アメリカでは学校内での銃発砲事件が続発していて、先週もコロラド州で生徒を監禁し、一人を殺害した事件が起こったようですが、州警察によると、男は牛乳を運ぶ地元のトラック運転手だったようで、学校に侵入すると、教師や男子生徒を教室から追い出した後、女子生徒らを黒板の前に並べて銃撃するという残虐な事件だったようです。

この事件が起こったアーミッシュというのは、皆さんご存知でしょうか?

キリスト教徒の中でも、特に異質な人の集まりともいえますが、現在も電気や水道、ガスといったものを使用しない生活を守り通りしている人たちで、移動も車を使いません。

アメリカの中でも、かなり特異な存在で、こういった生活様式を見ていると、何か頑なな印象を受けますが、アーミッシュの人々は質素で、謙虚、従順といった生活を重んじているだけで、特に攻撃的な宗派でもなく、ごく質素な生活の中にこそ、キリストの教えがあると考えているようです。

そんなアーミッシュの人々の生活を取り上げたサスペンス映画が、これ。

Photo_47 刑事ジョン・ブック~目撃者~(原題;witness)

1985年のアメリカ映画。

監督は、『今を生きる』や『グリーンカード』のピーター・ウィアー。

出演は、ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス、ルーカス・ハース他。

原題がwitnessとあるように、ある子供が殺人事件を目撃することから映画が始まりますが、とにかく、この映画は『美しい』。

ジョン・シールが撮影した映像やモーリス・ジャールの音楽が見事!

映画は冒頭に素朴なアーミッシュの人たちの生活風景を美しく描き出します。このあたりが、単なるサスペンス映画と異なります。

少年サミュエルはアーミッシュの街で育ち、母親のレイチェルと一緒に叔母の家を訪ねていこうと駅にいますが、好奇心旺盛のサミュエルは母親がちょっと目を話したすきに、その場を離れ、駅のトイレの中に入り込んでしまいます。

すると、そこに二人の男が入ってきたので、慌てて物陰に隠れるサミュエル。

どこか様子がおかしい男たち。と、突然、一人の男がもう一人の男を銃で殺してしまいます。

その様子を物陰から目撃してしまったサミュエル。

危うく犯人に見つかりそうになるところで難を逃れるサミュエルですが、事件の目撃者として警察に保護されることになります。

そこに現れたのが、刑事ジョン。

ジョンはレイチェルとサミュエルを保護しようとするのですが、犯人と思われる者から執拗な攻撃を受ける三人。

しかも、ジョンの上司しか知らないはずの事情が犯人に流れているようなのです。

ジョンは身の危険を感じ、レイチェルとサミュエルを連れて、アーミッシュの村に逃げ込むのですが、アーミッシュの人からもジョンは歓迎されません。

彼はアーミッシュとは別の世界に住む人なのですから…

この映画は、基本はサスペンス映画です。

でも、最初にお話したように、とにかく『美しい』というか、アーミッシュの人々の生活とジョンとの関わりをじっくり描いているところが好感を持てます。

ジョンは言ってみれば、僕達と同じ存在。

最初は奇異に見える彼らの生活も、実際に彼らと一緒に生活してみれば、彼らの生活や人間の素晴らしさが見えてきて、実は文明社会に住む自分たちのほうが、了見の狭い世界に生きていることに気づかされます。

今回の殺人事件の動機はまだ定かではないようですが、今回の事件は何事においても表面的なところで物事を判断しがちな現代社会の悲劇と言えるかもしれません。

先日、紹介した映画『クラッシュ』でもそうですが、急激に多様化する社会に対して、アメリカに代表される現代社会は極度な拒否反応を示しているんでしょうか?

この悲劇の向こうに何があるんでしょ?

異質なものに対して攻撃するのではなく、受け入れる寛容な姿勢。

なかなか難しいことですけど、これなくして、僕らに未来はないのかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

« 2006年9月 | トップページ | 2006年11月 »